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女性の薄毛の症状

薄毛の症状と密接に関連するヘアサイクル

ヘアサイクル

髪の毛は1本がずっと伸び続けているわけではなく、一定の期間伸びると自然に抜け落ち、また新しい毛が生えてきます。髪が伸びるのは「成長期」と呼ばれる期間で、その後、毛根の細胞分裂が止まって髪の成長が止まる「退行期」を経て、「休止期」に入ります。休止期の毛は抜け落ちやすく、シャンプーやブラッシングの際に自然に抜け落ちます。
そして「休止期」が終わると、再び「成長期」に入って新しい毛が古い毛を押し出すように生えてきます。このように、髪は日々少しずつ生え変わっており、自然に抜ける本数は1日におよそ70本程度とされています。

ヘアサイクルは平均で3~5年(女性で4~6年)

  • 成長期2~6年、髪全体の約85~90%:毛母細胞が分裂増殖を繰り返し、毛が成長する時期
  • 退行期2~3週間、髪全体の約1%:毛母細胞の分裂が停止し、毛球が縮んでいく時期
  • 休止期3~4ヶ月、髪全体の約10~15%:毛球が退化し、毛が抜ける直前までの時期

しかし、何らかの原因でこのサイクルが乱れると、抜け毛が増加します。

女性の薄毛の種類と症状

【休止期脱毛】

休止期脱毛は、髪の成長期が短くなり、休止期にある毛の割合が増えるタイプの脱毛です。

ごく少数の方は20代前半から見られることもありますが、多くは更年期以降に発症します。これは、加齢とともに女性ホルモンが減少することに加えて、更年期になるとその分泌量がさらに低下し、結果として男性ホルモンの作用が相対的に優位なるためです。

髪の軟毛化に伴い、頭頂部や分け目を中心に薄毛が進行するのが特徴です。

本来は全体の約10%ほどである休止期の髪の割合が、20%前後にまで増えるようになり、結果として抜け毛が一度に増えます。男性型脱毛症のように短く細い軟毛が抜けるのではなく、長くしっかりした抜け毛が増えるのが特徴です。その結果、頭髪全体のボリュームが徐々に減っていきます。

内服薬や注射薬など、特定の薬を使用することで、休止期の髪の割合が増えたり、髪の成長期が短くなったりすることがあります。原因となる薬の使用を始めてから、実際に脱毛が見られるまでには一般的に2〜4か月ほどかかります。脱毛の程度は比較的軽いものから中等度までが多く見られます。このタイプの脱毛は、さまざまな薬で起こる可能性があり、たとえば血液をサラサラにするヘパリンやワーファリン、一部の降圧薬などが知られています。

【成長期脱毛】

成長期脱毛は、髪が活発に成長している「成長期」に毛母細胞がダメージを受けることで急激に起こるタイプの脱毛です。脱毛は比較的早い時期に始まり、広い範囲に及ぶことが多いのが特徴です。

成長期にある毛の根元(毛球部)で炎症が起こり、毛をつくる毛母細胞がダメージを受けて死滅し、その部分の髪がまとまって抜け落ちる症状です。
脱毛は必ずしも円形とは限らず、1か所だけに見られる場合もあれば、複数の部位に生じることもあります。
主な原因としては、強いストレスや免疫の異常、アトピー性皮膚炎などが挙げられます。

抗がん剤による脱毛はこのタイプに分類されます。細胞分裂を抑える薬を使用すると、成長期にある髪の毛の毛母細胞が細胞死をおこし、髪が抜け落ちてしまいます。投薬を始めてから1〜2週間ほど脱毛がはじまるとされています。

  • 成長期:毛母細胞が分裂増殖を繰り返し、毛が成長する時期
  • 退行期:毛母細胞の分裂が停止し、毛球が縮んでいく時期
  • 休止期:毛球が退化し、毛が抜ける直前までの時期

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